Claude Cowork が Amazon Bedrock で利用可能に

Anthropic の Claude Cowork が Amazon Bedrock で利用可能になりました。これまで開発者向けの Claude Code が注目されてきましたが、今回の発表により、組織全体のナレッジワーカーが AI を活用できるようになります。

Claude Cowork は、文書読み込み、多段階リサーチ、ファイル処理、レポート生成を自動化するデスクトップアプリケーションです。従来の Claude Desktop の機能(プロジェクト、アーティファクト、メモリ、ファイルアップロード、リモートコネクタ、スキル、プラグイン、MCP サーバー)をすべて含んでいます。

重要な点は、推論処理が完全に Amazon Bedrock 経由で行われることです。これにより、データは組織の AWS アカウント内に留まり、Amazon Bedrock はプロンプトやファイル、ツールの入出力、モデル応答を保存せず、基盤モデルの訓練にも使用しません。(出典: https://aws.amazon.com/blogs/machine-learning/from-developer-desks-to-the-whole-organization-running-claude-cowork-in-amazon-bedrock/)

設定手順と技術的要件

Claude Cowork の Amazon Bedrock 連携は 2 ステップで完了します。

まず、ユーザーが Claude Desktop アプリケーションをマシンにダウンロードします。次に、デバイス管理システム(Jamf、Microsoft Intune、Group Policy など)が Claude Desktop に設定を配信し、推論モードを有効化します。

設定には以下の項目を指定します:

  • Model ID と Amazon Bedrock Inference Profile
  • 認証方法
  • 組織ポリシー

LLM ゲートウェイを使用している組織では、同じ管理設定でゲートウェイ URL を指定できます。既に Claude Code を Amazon Bedrock で運用している場合、同じセットアップを流用可能です。

# AWS CLI での Bedrock モデルアクセス確認例
aws bedrock list-foundation-models --region us-east-1 \
  --by-provider anthropic

組織レベルでの展開には、AWS アカウントでの Bedrock アクセス、IAM 権限、明示的なリージョン・ネットワーク設定、運用ガードレールが必要です。(出典: https://elevata.io/en/claude-code-on-aws-complete-guide-bedrock-setup-self-hosted-models)

プロンプトキャッシュによるパフォーマンス最適化

Amazon Bedrock のプロンプトキャッシュ機能が Claude Code と組み合わされることで、大規模コードベースでの AI 支援開発が劇的に改善されます。

プロンプトキャッシュは、アプリケーションが定義したキャッシュチェックポイントマーカーを Amazon Bedrock が解釈し、テキスト処理後のモデル状態全体を保存します。同じプレフィックスを再利用する後続リクエストでは、再計算ではなくキャッシュされた状態をロードします。

Claude Code では、コードベース処理時にこれらのキャッシュポイントをインテリジェントに管理します。同じコードについて複数の質問をしたり、ソリューションを反復的に改良する際、Claude Code は以前に分析されたコードを完全な計算・財務コストをかけずに「記憶」できます。

# Bedrock Converse API でのプロンプトキャッシュ利用例
import boto3

bedrock = boto3.client('bedrock-runtime', region_name='us-east-1')

response = bedrock.converse(
    modelId='anthropic.claude-3-5-sonnet-20241022-v2:0',
    messages=[{
        'role': 'user',
        'content': [{'text': 'Analyze this codebase...'}]
    }],
    inferenceConfig={
        'maxTokens': 4096,
        'temperature': 0.1
    }
)

この組み合わせにより、応答時間の短縮と入力トークンコストの削減が実現され、日常的な開発タスクでの AI 支援コーディングが効率的かつ経済的になります。(出典: https://aws.amazon.com/blogs/machine-learning/supercharge-your-development-with-claude-code-and-amazon-bedrock-prompt-caching/)

エンタープライズ向けエージェント AI プラットフォーム

Amazon Bedrock AgentCore と Claude の組み合わせは、エンタープライズレベルのエージェント AI 展開を変革しています。Cox Automotive では、17 の主要概念実証が本番環境に展開され、7 つの業界変革ソリューションが現在開発中です。

従来、エンタープライズがエージェント AI を構築する際、エンジニアリングチームはセッション管理、認証情報ボルト、ツールオーケストレーション、可観測性フレームワーク、スケーリングロジックなどのインフラ構築に数か月を費やしていました。実際のエージェントロジックとビジネス価値に集中できる頃には、チームは疲弊し、ユースケースも進化している状況でした。

Amazon Bedrock AgentCore は、高性能なエージェントを大規模に構築・展開・運用するための包括的なエージェントプラットフォームです。モデル非依存で、インフラと運用上の課題を処理するため、開発者はビジネスを差別化する要素(エージェントのロジックと実行すべき特定タスク)に集中できます。

AgentCore の完全管理サービスには、Runtime、Memory、Identity、Gateway、Code Interpreter、Browser Tool、Observability が含まれ、最大 8 時間の自律実行と自動スケーリングを提供します。(出典: https://aws.amazon.com/blogs/machine-learning/amazon-bedrock-agentcore-and-claude-transforming-business-with-agentic-ai/)

まとめ

  • Claude Cowork を Amazon Bedrock で導入することで、開発者だけでなく組織全体のナレッジワーカーが AI 支援による文書処理・リサーチ自動化を実現できる
  • 既存の Claude Code セットアップを流用し、デバイス管理システム経由の設定配信で企業規模での迅速な展開が可能になる
  • プロンプトキャッシュ機能により、大規模コードベースでの反復的な AI 支援開発において応答時間とコストを大幅に削減できる
  • Amazon Bedrock AgentCore の完全管理インフラを活用することで、エンジニアがインフラ構築ではなくエージェントのビジネスロジックに集中し、最大 8 時間の自律実行エージェントを構築できる