AWS EC2 Capacity Blocks for MLとSageMaker Training Plansによる短期GPU確保戦略
機械学習ワークロードにおけるGPU不足は、多くの企業が直面する深刻な課題となっている。AWS Machine Learning ブログによると、GPU需要が業界全体の供給を上回っており、GPUが希少なリソースとなっている現状が報告されている。この問題に対して、AWSは短期間のMLワークロード向けに新たなソリューションを提供している。
従来のGPU調達手法の限界
オンデマンドGPUインスタンスは、容量が利用可能であれば即座に使用開始できるが、地域の供給と需要に依存するため可用性が不安定である。インスタンスを停止した後、同じ容量を再取得できない可能性があり、この不確実性により必要以上に長時間インスタンスを稼働させることになり、コストが増大する。
スポットインスタンスは最大90%のコスト削減を実現できるが、Amazon EC2が容量を必要とする際にインスタンスが中断される可能性がある。MLワークロードでは、定期的なチェックポイント機能を持つ分散学習ジョブやバッチ推論ワークロードに適している。
オンデマンド容量予約(ODCR)は計画的で安定したワークロードに適用されるが、特にP型インスタンスの短期ODCR可用性は制限されており、長期契約なしではオンデマンド料金で課金されるため、コスト面でのメリットがない。
(出典: AWS Machine Learning Blog)
EC2 Capacity Blocks for MLの仕組み
EC2 Capacity Blocks for MLは、短期間のMLワークロード向けに予約GPU容量を確保するソリューションである。このサービスにより、ロードテスト、モデル検証、期限付きワークショップ、リリース前の推論容量準備などの用途で、確実にGPU容量を確保できる。
従来のODCRとは異なり、Capacity Blocks for MLは短期間または探索的なワークロードに特化して設計されている。事前にコミットメントを行うことで、指定した期間中のGPU容量を保証し、オンデマンドインスタンスの不確実性を排除する。
容量ブロックは特定の期間とインスタンスタイプに対して予約され、その期間中は確実にリソースにアクセスできる。これにより、重要なプロジェクトやデモンストレーション、時間制約のあるMLタスクを安心して実行できる。
SageMaker Training Plansとの連携
SageMaker Training Plansは、Amazon SageMakerでのトレーニングワークロード向けに予約容量を提供する。このサービスは、定期的なモデル再トレーニングや大規模なトレーニングジョブに適している。
Training Plansを使用することで、SageMakerトレーニングジョブの実行時に必要なGPU容量を事前に確保できる。これにより、トレーニングスケジュールの予測可能性が向上し、リソース不足によるプロジェクト遅延を防げる。
両サービスを組み合わせることで、短期的な実験からプロダクション規模のトレーニングまで、様々なMLワークロードに対応した包括的なGPU容量管理戦略を構築できる。
(出典: AWS Machine Learning Blog)
まとめ
- EC2 Capacity Blocks for MLを使用して、ロードテストやモデル検証などの短期MLワークロード向けに確実なGPU容量を事前予約できる
- SageMaker Training Plansにより、定期的なモデル再トレーニングや大規模トレーニングジョブのスケジュール予測可能性を向上させることができる
- 従来のオンデマンドやスポットインスタンスの不確実性を排除し、重要なプロジェクトやデモンストレーションを安心して実行できるようになる
- 短期探索ワークロードから本格運用まで、用途に応じた最適なGPU調達戦略を選択することで、コストと可用性のバランスを最適化できる